解像度
2002/7/26
−はじめに−
完全に半年に1回のペースになっている「コラム」ですが、今回もまた「お絵描き講座」です。
しかし 今回のテーマは、僕にしては珍しく「CG」についてです。
詳しく言うと タイトルにもある通り 「解像度」のお話。
先ず最初に 僕がCGを描き始めた頃の話から。
フォトショップを手に入れた僕は、友人から「CGの描き方」をいう本を借りて独学で勉強し始めた。
というか大抵のCG描きは皆そうであろう。(憶測含む)
そこに書いてあった手順通り、先ずは線画を
300〜400
の解像度で取り込んだ。
それから地道に彩色を施してゆくのだが、コレが
重い!
CGが完成する頃にはマシンが悲鳴を上げそうな程 重くなっていた。
僕の(当時の)マシンのCPUは450Mhzでメモリは256Mあるのだが、しかしそれでもこの重さということは
…世間はみんなこんなものなのかな〜とか思っていた。でなきゃもっとハイスペックなのか、とか。
CG初心者だったしね。
それから何枚ものCGを描いたが、全て 解像度200〜300で取り込んで彩色→原寸大に縮小、
という手順を取ってきた。
そして―――
作業フォルダのサイズは1Gを超えた。
何せ一番大きなファイルが
65M
という始末である。これはなんとかしなくちゃいけないな、と思い
ファイルの削減を試みるが…
消せない! 勿体無くて消せない!
既に完成したCGのデータなんだから必要無いといえば必要無いのだが…やっぱ勿体ねえ(T▽T)
ここで僕は重大なミスに気付く。そう、
「解像度」
である。
あからさまに大きい。コレがファイルを肥大化させている要因である事は明白だ。
そしてそのミスの原因は 前述の「CGの描き方」という本にあった。
なにせ現役のプロが書いているのだ。疑う余地も無かろう。しかし
それが落とし穴だった。
この手の本では大抵みな「線画を解像度300〜400で取り込む」と言っている。中には「
600
」という人もいる。
しかし、である。ここで説明が足りないのだ。
一番重要な説明が為されていないのだ!
このやり方はあくまで
「CGをペーパーデバイスに出力する事」を前提とした、
簡単に言えば
「印刷する事」
を前提にしたやり方なのだ。
その証拠にその手の本では大抵 巻頭に完成CGが載っているだろう。
低解像度ではジャギが目立って印刷に耐えられないから、というのが理由らしい。
で。逆に言うと
「印刷を前提としていないCGは低解像度で問題無い」
ということだ。
コレはダラダラとリクツをこねるより見てもらった方が早かろうと思ってサンプルを用意した。
モデルは「
TWELVE☆HEART
」より、「森川 亜矢子」である。
これは2001/11/25の作品の原寸大(一部)である。
解像度は300。
ちなみに完成品は
これ
だ。
このサイズで描き込んでも結局ツブれるんだよな。
それこそ紙に印刷でもしない限り。
そしてこれが2002/4/22の作品で こっちは200%サイズ。
解像度72。ドットの粗さから見ても明白であろう。
完成品は
これ
であるが、最初から原寸大で作業した。
その代わり線画修正をキッチリやる必要があるが。
つまりディスプレイ出力を前提としたCGなら 低解像度の原寸大で十分、ということ。
ドットが粗くてもお構いなし、だもんね。
マシンへの負荷も断然小さいぞ!(科学的根拠ナシ)
そして↑の作品以降、僕は最初から解像度72で彩色している。(線画修正だけ 高解像度で)
−あとがき−
これ結構 知らずに、高解像度で そのCGの重さと闘いながら彩色している人っているんじゃない?
「CGの描き方」って類の本を参考にしたならば。
結果、重すぎてマシンがハングしたり―――
…俺だけって事は無いよな!?
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